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民間の保険は不足分に備えるだけ
私もFP相談だけではなく、保険の仲介や証券の仲介業務を行っております。
開業当初は、FP相談や顧問契約で活動できるFPを目指したいとも思っていました。
しかし、保険仲介や証券仲介を通じで、こういった金融商品に精通することで、さらに相談される方にとって有益な情報もお伝え出来ると思うようになってきました。
その中でも、特に最近では「ファイナンシャル・プランナーに相談しました」という言葉も良く聞くようになりましたが、提案された保険の内容を確認すると真のファイナンシャル・プランナーが提案したものではないという事を実感することがお送ります。
何故なら、本来のFPであれば、総合的に判断をして、必要であれば保険で補填をするという考えがあるからです。闇雲に保険ばかりを勧めるような事はしないでしょう
「私はファイナンシャル・プランナーですので、お任せください」
鵜呑みにするのは止めましょう
必要な保障とは何か?
では、どんな保険に加入すれば良いのでしょうか?
独身の方であれば、保険の必要性は低くなります。
仮に怪我や病気で働けない時期が出来たとしても、加入されている健康保険制度から1年6カ月までの間は、給与の6割程度が支給されます。連続で4日以上働けない期間があれば、傷病手当金として支給されます。
「全国健康保険協会」病気やけがで会社を休んだ時
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3040/r139/
ただ、ご家族を持たれている場合には、収入が6割に減少してしまったら、困ってしまう方もおられるでしょうね。更に住宅ローンや教育費などが必要なご家庭では、収入の不足は大変な問題です。
余剰資金が多くあるようであれば、一時的な入院などにも対応できるでしょうが、それだけのお金を持っているご家庭も多くなと思います。
保険は財産の保全のために加入するものなのです。
さらに、入院や治療費がかかれば家計への負担も大きくなりますね。
仮に収入が30万円ある方だと、18万円の収入になってしまい、生活が困ってしまいます。
日額7000円の医療保険に加入されていれば、仮に1ヵ月入院されると21万円の給付金があります。月内で1ヵ月入院されった場合には、高額療養費制度が利用できますので、9万円弱の負担で済みます。
18万円の傷病手当金と21万円の入院給付金で39万円となりますが、入院費用に9万円を支払うと、ちょうど月収の30万円になります。
ただ、入院には差額ベッド代や食事代が別途かかりますので、その費用負担も考えておきましょう。
死亡保障も貯蓄を考えると無駄
生命保険に加入される時に、掛け捨ては無駄な気がするという事を言われる方がおられます。
保険営業マンでFP資格を持っている人は、保険で貯蓄をアピールした営業をする人も多くおられます。
しかし、真のFPであれば、保障は保険、貯蓄は運用で提案すると思います。
何故なら、保険で運用をする場合は、コストがWでかかっているからです。
保険商品で運用する場合、保険会社は保険料として受け取ったお金から会社の利益や代理店の利益、必要経費などを差し引いたものを、有価証券などで運用しています。
生命保険協会の「生命保険会社のディスクロージャー~虎の巻」
https://www.seiho.or.jp/data/publication/tora/pdf/tora_4.pdf
こちらでは8割の資産が有価証券で運用されています。
ですので、解約返戻金などが確定されている固定金利の商品は、保険会社がリスクを取りながら運用しているので、予定利率も本来の運用益よりも低く設定されていると思います。
老後資金の準備で年金保険料控除?
また保険商品でも老後の資金を準備するために、死亡保障は掛けた保険料程度にして、積立を重視した個人年金保険というものがあります。
しかし、先程も書きましたが、現在は日本はゼロ金利政策で、保険で運用をしても殆ど増えていかない状態です。しかし、中には年間8万円以上の保険料を負担すれば、4万円の年金保険料控除として、所得から控除が受けられる方と個人年金保険に加入される方がおられます。
この4万円の控除を大きいと思われる方もおられますが、これは所得から4万円を引いた額に税金をかけるという事ですので、仮に所得税率が10%の方は4,000円ほど、所得税が少なくなるというものです。
80,000円に対して4,000円ですので、年間5%のお得になったことになります。
では30年間かけた場合は、5%×30年=150%になるかというと、そうではなく、保険料の負担もずっとあるので、30年年金保険料控除を利用してもお得なのは5%のままです。
同じ8万円を所得控除ではなく、NISAが恒久的に使えるようになるとして、3%で運用できたとすると積立額240万円が380万円となり、58%も増えたことになります。
個人年金保険が仮に20%増えたとしても、年金保険料控除で25%の実績にしかなりませんが、直接運用ではそれ以上の効果があります。
またiDeCoと言われる確定拠出年金では、各制度でそれぞれ限度額はありますが、iDeCoの場合は月額6.8万円までが拠出でき、この全額が所得税控除の対象となります。
さらに、年金を受け取る時も、一時金で受け取る場合には退職所得の対象となることや、年金で受け取る時は、公的年金等控除の対象となり、優遇されています
iDeCo公式サイト「iDeCoのイイコト」
https://www.ideco-koushiki.jp/guide/good.html
まとめ
民間の保険に関しては意見が様々ありますが、きちんと保険以外で準備ができる方は保険に加入する必要もないと思います。しかしあまり貯蓄もない方や保険以外の準備が出来ない方であれば、最低限の保険の加入は必要かも分かりません。
そんな中で、必要以上な保障や貯蓄を重視して実はもっと効率の良い方法を見逃している方が多いように感じます。
冒頭でも書きましたが、保険ショップに行って、ファイナンシャル・プランナーから説明を受けても、それはファイナンシャル・プランナーの資格を持った保険外交員で、真のファイナンシャル・プランナーではないという事を知っておかれると良いと思います。
どうしても運用は怖いと思われる方もおられますが、保険商品で運用していても途中で解約した場合は、大きな損失になります。
運用でリスクと使うのは、増えたり減ったりする幅の事です。
幅が大きければ、その分、リターンも大きくなります。その幅が大きいことに耐えられるのも長い時間があるからです。
保障は保険、貯蓄は運用を今日から始めませんか